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【コラム】トランプ大統領とステーブルコインの最新動向から見るデジタル通貨の未来

  • 執筆者の写真: 高野久
    高野久
  • 2025年9月29日
  • 読了時間: 4分

蒼希株式会社の高野久と申します。日々のニュースの中から気になる話題をピックアップし、少し掘り下げてお届けするこのコラム。今回はアメリカでトランプ大統領が署名した GENIUS Actをテーマにお話しします。


2025年7月、アメリカでトランプ大統領が署名した GENIUS Act は、ステーブルコイン業界に明確なルールを与えた歴史的な一歩となりました。


この新法は、発行時の「裏付け資産の保有」「定期的な監査」「透明性の確保」を義務づけるもので、ステーブルコインを社会インフラとして安心して使える土台を築いたといえます。


さらに注目すべきは、トランプ大統領の関連企業が USD1 というドル連動型ステーブルコインの発行を計画していることです。

Ethereumなど複数のブロックチェーンで流通させる構想で、国家リーダー自らが規制を整備し、市場のプレーヤーとしても参入するという前例のない取り組みは、世界に強いインパクトを与えています。


これは「ステーブルコインを国家と民間の両輪で推進していく」という姿勢の表れであり、アメリカが次世代の金融インフラを主導していく強い意志を示すものではないでしょうか。


ステーブルコインとは何か

価格を安定させたデジタル通貨


ステーブルコインとは、法定通貨や資産と価値を連動させることで価格を安定させた暗号資産です。

従来のビットコインやイーサリアムは値動きが大きく日常利用には不向きでした。具体的には価格変動が大きく、日常の支払いに使うにはリスクが高いという問題があります。

例えば昨日1BTC=700万円だったものが、今日には650万円に下がってしまうことも珍しくありません。


ステーブルコインは「1コイン=1ドル」といった安定性を実現し、決済や送金に適しています。


代表的な仕組み

  • 法定通貨担保型ドルや円を銀行に預け、その分のコインを発行。

    • 例:USDT(テザー)、USDC

  • 暗号資産担保型イーサリアムなどを担保にし、超過担保で安定性を確保。

    • 例:DAI(MakerDAO)

  • アルゴリズム型需給に応じて発行量を調整する仕組み。

    • 例:UST(Terra)※現在は失敗例として知られる


ステーブルコインの価値

  • 国際送金:銀行を介さず、数秒で低コスト送金が可能。

  • DeFiの基盤:融資や投資における“基準通貨”として利用。

  • 日常利用:値動きが少ないため、支払いや決済に安心して使える。

暗号資産の世界で「安定」を担保する存在として、経済活動の基盤になりつつあります。


かみ砕きますと、ステーブルコインは、国際送金において銀行を介さずに数秒で低コスト送金ができるため、従来の高額な手数料や時間の制約を大きく解消します。

さらに、DeFi(分散型金融)では融資や投資の“基準通貨”として活用され、価格の安定性によって多様な金融サービスを支える土台となり得ます。

加えて、値動きが少ないことから、日常の買い物やオンライン決済にも安心して利用できる実用性を備えています。

つまりステーブルコインは、暗号資産の世界における「安定」の役割を果たしながら、国際金融から日常生活まで幅広く機能する、現代の経済活動の基盤へと成長しつつあるのです。


日本での動き

日本でも2023年の法改正により、円建てステーブルコインの発行が可能になりました。

  • 三菱UFJ信託銀行の Progmat Coin

  • 他の大手金融機関も実証実験を進めており、利用者保護を重視した設計が特徴です。

日本のステーブルコインは「安全性と信頼性」を前面に出し、国内利用に適した形を追求しています。


未来像 ― 次世代の「使えるお金」

ステーブルコインは今後、以下のような未来を開くと期待されています。

  • 国際送金の標準化:新興国を含め、数秒で世界中に資金が届くインフラへ。

  • 自治体や企業の導入:給与や地域通貨に採用され、日常での利便性が高まる。

  • CBDCとの共存:国家の公式通貨と、民間の柔軟なステーブルコインが補完関係を築く。

  • デジタル証明との統合:NFTやIDと連動し、「身分証明+決済」の一体型サービスに進化。


おわりに

トランプ大統領が推進するステーブルコイン政策は、アメリカが次世代の金融秩序を主導する姿勢を鮮明に示しています。そして、日本でも円建てステーブルコインの準備が進む中、世界規模で「安定したデジタルマネー」の普及が加速することは間違いありません。

ステーブルコインは、現金やクレジットカードに続く 新たな“使えるお金” として、これからの社会に深く根付いていくでしょう。


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