第1回:ドローンの世界へようこそ(1回目/全6回中)
- 高野久

- 2025年9月18日
- 読了時間: 5分
更新日:2025年9月25日
ゼロから学ぶドローン開発入門講座:第一回
皆さん、本日は「ドローン開発入門講座」の第1回(全6回)にお越しいただきありがとうございます。
蒼希株式会社の高野久と申します。
記念すべき初回のテーマは「ドローンの世界へようこそ」です。
まず最初に皆さんにお聞きします。「ドローン」と聞いて、真っ先に思い浮かぶのはどんなイメージでしょうか?空からの美しい映像? 最新のガジェット?
それともニュースで見る戦争や監視の映像かもしれません。
人によって答えはさまざまですが、この幅広さこそがドローンの特徴でもあります。
この講座では、ドローンを単なる流行の道具としてではなく、「社会を大きく変える技術」として体系的に学んでいきます。その入り口として、本日はドローンの定義、歴史、現在の活用事例、そして未来の可能性についてご紹介します。
ドローンの定義と歴史
まず「ドローン」とは何かを押さえておきましょう。
技術的には「無人航空機(UAV: Unmanned Aerial Vehicle)」の総称で、人が搭乗せずに遠隔操作または自律飛行する航空機を指します。
現在では小型のマルチコプターを「ドローン」と呼ぶのが一般的になっていますが、その歴史は意外と古く、軍事利用から始まっています。
実はドローン技術の多くは、戦争によって発展してきました。第一次世界大戦ではすでに無線操縦の飛行爆弾や標的機が試作されており、第二次世界大戦期には偵察や攻撃用の無人機が実戦投入されました。
その後、冷戦期にはアメリカやソ連が偵察用ドローンを開発し、ベトナム戦争などで使用しました。そしてこれらの軍事技術は、GPS、カメラ、通信制御などの分野で大きな進歩を促した歴史もあります。
ただし、これは戦争が技術革新を加速させた事実を示している一方で、ドローンの可能性は軍事にとどまるものではありません。
戦場で磨かれた技術が、のちに民間分野へ転用され、私たちの生活を支えるツールへと進化してきたのです。インターネットもそうですね。
2000年代に入ると、小型モーターやリチウムイオンバッテリーの改良により、一般消費者が扱えるサイズのドローンが登場しました。
2010年代には空撮ブームが到来し、誰もが空からの映像を楽しめる時代となりました。そして現在は、物流、農業、災害対応など社会基盤を支える技術としての応用が広がっています。
現在の活用事例
ここで、現代におけるドローンの活用事例を具体的に見ていきましょう。
物流
最も注目される分野の一つが物流です。離島や山間部では従来の輸送手段が限られており、物資輸送に時間とコストがかかります。ドローンを使えば、最短ルートで物資を届けられ、数十分で医薬品や生活必需品を運ぶことが可能です。日本でも沖縄の離島を中心に実証実験が行われています。
農業
農業では農薬や肥料を空から散布するドローンが導入され、労力削減と効率化に貢献しています。また、マルチスペクトルカメラを搭載して作物の健康状態を解析するなど、精密農業の実現にも役立っています。
災害対応
地震や洪水といった大規模災害時には、ドローンが人命を守る大きな力となります。道路が寸断された地域へ物資を運搬したり、被災地を上空から撮影して状況を迅速に把握したりすることが可能です。原発事故のように人が立ち入れない場所での調査でも活躍しています。
エンターテインメント
ドローンショーも大きな注目を集めています。数百機のドローンが夜空を彩る光の演出は、花火に代わる新しい文化として世界中に広がっています。また、映画やテレビの撮影現場でも、ドローンはヘリコプターに代わり、コストを抑えつつ迫力ある映像を提供する手段となっています。
私の会社は沖縄県那覇市に立地していますが、住まいのある東京の立川市、その2025年の立川花火大会では、「シャウエッセン 花火」 スペシャルドローンショーと題して、500基のドローンが空を舞ってました。

社会を変える可能性
こうした事例は、ドローンがすでに私たちの生活に入り込んでいることを示していますが、未来にはさらに大きな変革が待っています。
医療の分野では、AEDや血液を運ぶ救急用ドローンが研究されています。例えば心停止が発生した際に救急車よりも早く現場に到着し、救命率を大幅に高められると期待されています。
物流では都市部でのラストワンマイル配送にドローンが導入され、宅配システムが根本から変わる可能性があります。海外の例では、アフリカのルワンダで血液やワクチンのドローン配送がすでに実用化されていますし、アメリカやヨーロッパでもAmazonやUPSなどが本格的に導入を進めています。
さらに社会インフラの点検も重要です。老朽化が進む橋梁やダム、送電線を効率的に調査し、AI解析と組み合わせることで予防保全を行う取り組みも進められています。
まとめ:ドローンの位置づけと未来像
本日の講座では、ドローンの定義、戦争を通じた技術発展の歴史、そして現在の活用事例を学びました。ドローンは戦場から生まれ、進化してきた側面を持ちながらも、いまや社会を支える平和利用の技術へと姿を変えています。物流や農業、災害対応、エンターテインメントなど、多岐にわたる分野で活用され、未来の社会インフラを形づくる存在になりつつあります。
次回は「ドローンがなぜ飛ぶのか」という基礎に迫ります。空を飛ぶ仕組みを理解することで、技術をより深く学べるようになるでしょう。
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