top of page
SOUKIロゴ (1)_edited.png

第2回:ドローンが飛ぶしくみ(2回目/全6回中)

  • 執筆者の写真: 高野久
    高野久
  • 2025年9月18日
  • 読了時間: 5分

更新日:2025年9月25日

ゼロから学ぶドローン開発入門講座:第二回

また来てくれたそこのあなた!こんちは!蒼希株式会社の代表、高野久です。

第2回講座へようこそ。今回は「ドローンがなぜ空を飛べるのか?」というテーマに迫っていきます。


空を飛ぶ機械と聞くと「飛行機」や「ヘリコプター」を思い浮かべる方が多いでしょう。

ドローンもその仲間ですが、飛び方には独自の特徴があります。


本日はその仕組みをわかりやすく解説しながら、主要な部品がどのように役割を果たしているのかを学んでいきましょう。


まず最初に、皆さんに質問です。「なぜ飛行機やドローンは空を飛べるのか?」と聞かれたら、どのように答えますか?「エンジンの力で浮く」「羽があるから」「プロペラが回っているから」

などなど、いろいろな答えがあると思います。

実はそのすべてが正解の一部であり、これらをまとめて理解することがドローン開発の第一歩なのです。


揚力と推進力の基本

空を飛ぶために欠かせないのが「揚力」と「推進力」です。飛行機の場合、翼の形によって翼の上側と下側の空気の流れが変化し、気圧差が生じて揚力が生まれます。


しかしマルチコプター型のドローンは翼を持たず、代わりに複数のプロペラを高速で回転させ、空気を下向きに押し下げることで揚力を得ています。

簡単に言えば、「下に空気を押すことで上に浮く」という非常に直感的な仕組みです。


推進力は、この揚力に方向をつけてコントロールする力です。


例えば前進する場合には、後ろ側のプロペラの回転数を上げ、機体を前傾させることで前方への推進力を作り出します。

逆に後進するときは前側のプロペラを強めます。旋回するときは左右のプロペラの回転数を変えて機体を回転させます。

つまり、ドローンの自由自在な動きはすべて「プロペラの回転数の差」によって生み出されているのです。


安定性の確保

飛ぶこと自体は単純でも、「安定して飛ぶこと」は非常に難しい課題です。もしプロペラの回転数がほんのわずかにでもずれると、ドローンはすぐに傾いたり、横に流れたりしてしまいます。そこで重要になるのが「センサー」と「制御システム」です。


ドローンにはIMU(慣性計測装置)と呼ばれるセンサーが搭載されており、加速度や角速度を常に計測しています。このデータをフライトコントローラ(後述)が処理し、プロペラの回転を自動的に微調整することで、ドローンは空中に安定してとどまることができるのです。


ここで皆さんにイメージしていただきたいのは「手のひらに棒を立てて、バランスを取る」遊びのような感覚です。棒を倒れないように支えるためには、常に細かな調整をし続ける必要があります。

ドローンも同じで、フライトコントローラが人間の代わりに超高速で姿勢を調整しているのです。


主要部品の役割

では、ドローンを構成する主要部品を一つひとつ見ていきましょう。


モーター

ドローンの心臓部とも言える存在です。各プロペラを高速で回転させ、揚力と推進力を生み出します。モーターの性能が飛行時間や安定性に直結します。小型ドローンには軽量モーター、大型輸送ドローンには高出力モーターが使われます。


プロペラ

プロペラは揚力を生み出すための「羽」です。形状や長さによって空気の流れ方が変わり、効率が大きく変動します。

一般的には回転方向が異なるプロペラを組み合わせ、全体でバランスを取るよう設計されています。


バッテリー

電源を供給するバッテリーは、ドローンの稼働時間を左右する要素です。

現在主流はリチウムポリマーバッテリー(LiPo)で、高出力かつ軽量なのが特徴です。

しかし、消耗が早く取り扱いに注意が必要です。

開発の現場では「1分でも長く飛ばす」ためにバッテリー効率の研究が続けられています。


フライトコントローラ

ドローンの頭脳とも呼ばれるのがフライトコントローラです。センサーからの情報を受け取り、各モーターへ最適な回転数を指示します。もしこれがなければ、人間の手だけで安定した飛行を制御するのは不可能です。オープンソースのPX4やArduPilotは、世界中の研究者や開発者が改善を続けている代表的なフライトコントローラです。


飛行操作の仕組み

ドローンの操作は一見シンプルですが、その裏では複雑な計算が常に行われています。

例えば、上昇するときは全てのプロペラを同時に速く回転させます。

下降するときは逆に回転数を落とします。

旋回するときは左右の回転数を変え、機体を傾けて方向を変えます。

これらはすべて「差動制御」と呼ばれる仕組みに基づいています。


面白いのは、こうした高度な計算を人間が意識して行う必要はないということです。

私たちは送信機のスティックを前に倒すだけで、フライトコントローラが裏側で計算を行い、モーターを制御しているのです。

つまり「直感的な操作の裏に緻密な数学が隠れている」と言えるでしょう。


専門知識は必要か?

ここまで聞くと「難しそう」と感じる方もいるかもしれません。しかし安心してください。

専門的な数式や物理学を暗記する必要はありません。

大切なのは「空気を下に押せば上に浮く」「回転数の差で動きを作る」という基本原理を理解することです。

基礎を押さえれば、より高度な技術や開発に進むときにもスムーズに応用が効きます。


まとめ:なぜドローンは飛べるのか

本日の講座では、ドローンが飛ぶために必要な揚力と推進力、安定性を保つためのセンサーと制御システム、そしてモーターやプロペラ、バッテリー、フライトコントローラといった主要部品の役割について学びました。

まとめると。

  1. 空気を下に押し下げることで揚力を得ている

  2. プロペラの回転数を調整することで自由な動きが可能になる

  3. センサーとフライトコントローラが安定飛行を支えている

次回は、こうした仕組みを踏まえて「ドローン開発に必要なパーツ」を詳しく見ていきます。

実際にどんな部品を組み合わせればドローンが形になるのか、より具体的に学んでいきましょう。

コメント


bottom of page