第2回:ブロックチェーンの仕組み(Web3.0入門講座の2回目/6回中)
- 高野久

- 2025年9月25日
- 読了時間: 7分
Web3.0入門講座
導入
皆さん、こんにちは、蒼希株式会社の高野久です。
前回の講座では、Web3.0が「所有するインターネット」であり、データの独占や利益の偏りといったWeb2.0の課題を解決する可能性を持っていることを学びました。では、なぜそんなことが可能になるのでしょうか?その答えが「ブロックチェーン」という技術にあります。
今日のテーマは「ブロックチェーンの仕組み」
聞いたことはあるけれど、実際にはどう動いているのかよく分からない。
そんな方が多いのではないでしょうか。
本日は、ブロックチェーンを “分散型台帳” として理解することを目標に、改ざんが難しい理由や、代表例であるビットコインやイーサリアムを取り上げて解説していきます。
第1章:分散型台帳とは何か
ブロックチェーンを一言で表すと「分散型台帳」です。台帳とは取引や記録を書き込むノートのようなもの。
従来は銀行や役所など、中央の機関がその台帳を管理していました。
例えば銀行振込をするとき、私たちは「銀行」という中央の管理者に信頼を預けています。銀行のシステムが取引を記録し、口座の残高を更新する。
だからこそ安心して送金できるのです。
しかし、もし銀行のシステムが故障したり、データを不正に改ざんしたりしたらどうでしょうか?
利用者は大きなリスクを背負うことになります。
ブロックチェーンはこの「中央管理」をなくします。台帳を特定の1か所に置くのではなく、ネットワークに参加する全員が同じ台帳をコピーして持つ。
つまり「みんなで監視し合い、記録を共有する仕組み」です。
こうすることで、一部の管理者に依存せず、誰でも取引の正当性を検証できるようになります。
第2章:ブロックとチェーンの仕組み
では具体的に、どのように記録しているのでしょうか。ここで登場するのが「ブロック」と「チェーン」です。
ブロック
一定時間ごとに、取引データをまとめた箱のようなものを作ります。これを「ブロック」と呼びます。
ブロックの中には「取引の内容」「記録した時刻」「前のブロックを参照する情報(ハッシュ値)」などが入っています。
チェーン
新しいブロックは必ず「前のブロックの情報」を含んでいます。
そのため、ブロック同士が鎖のようにつながり、一つの連続した履歴となります。
この仕組みにより、途中のブロックを改ざんしようとすると、その後ろに続くすべてのブロックを書き換える必要が生じます。現実的には膨大な計算が必要となり、不正はほぼ不可能になります。
身近な例えで具体化してみます。
クラスの全員が誰かのテスト答案のコピーを持っていると想像してください。ある生徒が「自分の点数を書き換えよう」と、答案の一部を消して点数を直したとします。
でも、他の大多数のコピーと比べれば違いがすぐに分かりますよね。ブロックチェーンも同じで、ネットワーク上の“コピー(台帳)”を多数で持っているため、一人だけ書き換えても整合性が取れません。全員分をこっそり書き換えなければ、バレちゃいます。
重要なのは「単に暗号化されている」だけではなく、チェーン構造+多数のコピー+合意ルールという三つが同時に働くことで、改ざんが現実的に成り立たない仕組みになっている、ということです。
それを次の章で詳しくご説明しますね。
第3章:改ざんが難しい理由
ブロックチェーンが「信頼できる仕組み」とされる最大の理由は、改ざんが極めて難しい点にあります。
ハッシュ関数による暗号化
ブロックには「ハッシュ値」と呼ばれるデータの指紋のようなものが付与されます。
たとえ取引内容を一文字変えただけでも、ハッシュ値は全く異なるものになり、すぐに不正が発覚します。
チェーン構造
各ブロックは前のブロックのハッシュ値を含んでいます。
つまり一つを改ざんすると、その後ろすべてのブロックの整合性が崩れるのです。
分散管理
台帳はネットワークの多数の参加者が同時に持っています。
一人が改ざんしても、他の大多数の台帳と突き合わせればすぐに不正が見抜かれます。
この3つが組み合わさることで、ブロックチェーンは「ほぼ改ざん不可能」と言われるほどの強固なセキュリティを実現しているのです。
つまり、ネットワーク上には多数の正しい台帳コピーが存在するので、特定の悪意ある改ざん版を「正しい」と認めさせるには、ネットワークの大多数(過半数)を上回る計算力や合意を得なければならない。
それには大量の電力と高性能な機材、そして時間が必要です。
さらにネットワークの半数以上(多くはさらに大きな割合)のコンピューターが既に持っている台帳を上書きする必要があり、単独で達成するのは現実的ではありません。
第4章:ビットコインとイーサリアムの例
では、実際にブロックチェーンがどのように使われているのか、代表例を見てみましょう。
ビットコイン
2009年に登場した世界初の暗号資産です。価格の急騰で皆様も聞いたことがあると思います。
従来の銀行を介さず、インターネット上で直接送金できる仕組みを実現しました。「誰かが中央で残高を管理しなくても、みんなで同じ台帳を共有すれば通貨として機能する」ことを示した、歴史的な事例です。
ビットコインでは伝説的な話も有名です。
2010年5月、アメリカ・フロリダのプログラマーが、当時ほとんど価値がなかったビットコインを使って「2枚のピザ」を購入しました。支払いに使われたのは 1万BTC。
当時は25ドルほどの価値しかありませんでしたが、もしそのビットコインを今まで持っていたら、数千億円以上の価値になっていたとされています。
この出来事は「世界で初めてビットコインで実際の商品が買われた瞬間」として記録され、毎年5月22日は「ビットコイン・ピザの日」として愛好者の間で記念されています。
イーサリアム
ビットコインが「お金の送金」に特化していたのに対し、イーサリアムは「プログラムを載せられる」ブロックチェーンです。
スマートコントラクトと呼ばれる仕組みにより、条件に応じて自動で契約を実行できます。NFTやDAO、DeFiなど、Web3.0の多くのサービスはイーサリアムを基盤として発展しています。
これら2つの事例からも分かるように、ブロックチェーンは単なる仮想通貨の仕組みではなく、社会の基盤技術へと成長しているのです。
第5章:日常生活へのイメージ
ここでもう少し、ブロックチェーンを日常生活に置き換えてイメージしてみましょう。
コンサートに行ったとき、座席番号や入場時間が全員のスマホに同時に記録される仕組みだとしましょう。
もし誰かが「自分はVIP席だった」と書き換えても、他の人の記録と照合すると「いや、あなたはAブロックですよ」とすぐに分かります。
もし商店街全員で「お客さんの買い物記録」を共有していたら、誰かが不正に帳簿を書き換えるのは極めて困難です。
スーパーに行って買い物して、その買い物の「レシートのコピー」を皆が持っているとします。
誰かが「実際は3000円だったのに、5000円と書き換えて、支払った!」と言い張っても、他の人が持っているコピーと照らし合わせれば「違うじゃないか!」とすぐにバレます。
つまり「みんなで同じノートを持ち、監視し合う」ことで、改ざんが出来ない、不正を防ぐのがブロックチェーンの考え方です。「多数の人が同じ記録を持っているから、不正ができない」という仕組みですね。
第6章:まとめと次回予告
今日の内容を振り返りましょう。
ブロックチェーンは「分散型台帳」と呼ばれる仕組みで、中央の管理者に依存せず記録を共有できる。
改ざんが難しいのは「ハッシュ関数」「チェーン構造」「分散管理」という3つの仕組みがあるから。
ビットコインは送金、イーサリアムはスマートコントラクトを活用し、Web3.0の基盤を築いている。
次回は「暗号資産とNFT」について学んでいきます。お金の形がどう変わるのか、デジタルアートやゲームの世界にどんな革命が起きているのか。さらに具体的な事例を通じて理解を深めていきましょう。
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