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第5回:安全とルールを学ぶ(5回目/全6回中)

  • 執筆者の写真: 高野久
    高野久
  • 2025年9月19日
  • 読了時間: 5分

更新日:2025年9月25日

ゼロから学ぶドローン開発入門講座:第五回

こんにちは!蒼希株式会社の代表、高野久です。

皆さん、第5回講座へようこそ。

これまで私たちは、ドローンの歴史や仕組み、パーツ、ソフトウェアについて学んできました。

今回は、技術と同じくらい重要なテーマである「安全」と「ルール」について取り上げます。

最初にお聞きしたいのは、「最新のドローンを自由自在に飛ばせる技術があれば、それで十分だと思いますか?」という問いです。

答えは“NO”です。

どれだけ優れた技術を持っていても、安全や法規制を無視すれば、社会で活用することはできません。

むしろ事故やトラブルを招き、技術そのものの信頼性を損なってしまいます。

本日は「飛ばせる技術」と「飛ばして良い環境」を両立させるために必要な知識を整理していきましょう。


ドローンを取り巻く法規制の概要

日本では、ドローンの飛行は航空法をはじめとする複数の法律によって規制されています。代表的な制限事項を確認しましょう。

  1. 重量制限:100g以上のドローンは航空法の対象となり、登録・申請が必要です。

  2. 飛行禁止空域:空港周辺や人口密集地の上空、150m以上の高度は原則飛行禁止です。

  3. 飛行方法の制限:目視外飛行、夜間飛行、物件投下、イベント上空の飛行などは特別な許可が必要です。

  4. 電波法:無線通信機能を持つドローンは、使用周波数が法律に適合している必要があります。

こうしたルールを理解し、守らなければ法令違反となり、罰則を受ける可能性があります。

例えば、「息子が体操着を忘れたから小学校までドローンで飛ばして校庭に落してこよう!」なんてことは勝手に出来ない規制があるのです。


許可・承認制度

では、これらの制限のもとでどうやって飛ばすのか。答えは「許可・承認制度」を利用することです。国土交通省への申請を通じて、目視外飛行や夜間飛行など特別な運用を行う許可を得ることができます。

ここで大切なのは、「飛ばす前に計画し、必要な許可を取る」という姿勢です。技術的に可能であっても、社会的に認められた形で運用しなければならないという点を忘れてはなりません。

ドローンは開発が出来ても、飛ばすのが大変なのです。


安全を守るためのチェックリスト

法規制に加えて、日々の運用で欠かせないのが安全チェックです。ここでは現場で役立つ基本的な確認項目を紹介します。

  • 機体点検:プロペラの破損、モーターの異音、バッテリーの劣化はないか。

  • 通信確認:送信機と機体のリンク状態は安定しているか。

  • 飛行環境:周囲に人や障害物はないか、風速や天候は適切か。

  • 緊急対応:バッテリー残量が減ったら自動帰還する設定になっているか。

これらを事前に確認することで、多くの事故を防ぐことができます。


また例えにはなりますが、自動車は走行中にエンジンが止まっても徐々に停車しますが、ドローンは空中で動力を失えば直ちに墜落し、機体破損だけでなく人や建物への二次災害を招く恐れもあります。

よってこのような安全点検は欠かせません。


実際にあった事故例

ドローンの安全性を考えるうえで、実際に起きた事故から学ぶことは非常に重要です。以下に国内外で報告された代表的な事例を紹介します。


2017年11月、岐阜県大垣市で開催された「Ogaki Robot Festival」では、飴を配布する目的で飛行していたドローンが制御を失い、観客の群衆に突っ込みました。この事故で少なくとも6人が負傷し、イベントにおける安全対策の不十分さが大きく問題視されました。人が集まる場での飛行がいかにリスクを伴うかを示した典型例です。


2023年6月には、英国バンガー近郊で警察が使用していた「DJI Mavic 2 Enterprise」が飛行中にバッテリー故障を起こし、わずか6分で動力を失って墜落しました。幸い人的被害はありませんでしたが、機体は大破し、飛行前のバッテリー点検や機材の信頼性向上が強く求められる結果となりました。


その他、2015年9月に群馬県前橋市で行われた自転車ロードレース会場で、飛行していたドローンが突如墜落し炎上する事故が発生しました。観客の近くで火災が起きる危険性が浮き彫りとなり、イベント運営におけるドローン活用のルール作りが急務とされたこともあります。


首相官邸屋上に小型ドローンが無許可で着陸する事件も、2015年4月にありましたね。これは抗議活動の一環として行われたものですが、政府施設上空での飛行という重大なリスクを伴い、操縦者は逮捕されました。この事件は社会に大きな衝撃を与え、その後の規制強化につながる契機となりました。


安全文化を育てる

事例から明らかなように、ドローン事故の多くは「技術不足」そのものよりも、「安全確認やルール遵守の軽視」に起因しています。

ドローンの社会実装を進めるうえで、最も大切なのは「安全文化」を根付かせることです。安全文化とは、ルールを守ることを単なる義務ではなく「社会全体への責任」として意識する姿勢です。

ドローンはまだ発展途上の技術であり、社会の信頼を獲得しなければ普及は進みません。操縦者一人ひとりが安全とルールを尊重することで、初めて技術が広く受け入れられるようになります。


まとめ:飛ばせる技術と飛ばしてよい環境

本日の講座では、ドローンを飛ばす際に必要な法律や規制、許可制度、現場での安全チェック、そして事故例から学ぶ教訓を確認しました。

まとめると──

  1. 法律を守らなければ、技術があっても社会で活用できない

  2. 許可制度を通じて、適切な環境下で特別な飛行が可能になる

  3. 安全チェックを徹底することで事故は未然に防げる

  4. 社会の信頼を得るには「安全文化」を育むことが不可欠

次回の最終回では「未来へ広がるドローン開発」をテーマに、空飛ぶクルマやAI連携など、さらに先のビジョン(私が得意部分)を描いていきます。




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