第4回:ドローンのソフトウェアとプログラミングの基礎(4回目/全6回中)
- 高野久

- 2025年9月18日
- 読了時間: 5分
更新日:2025年9月25日
ゼロから学ぶドローン開発入門講座:第四回
こんにちは!蒼希株式会社の代表、高野久です。
皆さん、第4回講座へようこそ。これまで私たちは「ドローンの歴史」「飛ぶ仕組み」「必要なパーツ」を学んできました。
今日は、いよいよドローンを動かす“頭脳”であるソフトウェアとプログラミングについて学びます。
ここで質問です。もしドローンに「特定の場所を自動で巡回して撮影してほしい」と頼むとしたら、どうしますか?スティックを操作して一生懸命動かすこともできますが、それでは効率が悪いですよね。そこで登場するのが「プログラム」です。
プログラミングによって、ドローンに“自律的に行動させる”ことが可能になります。
手動操縦と自律飛行の違い
ドローンには大きく分けて2つの操作方法があります。
ひとつは、送信機を使って人間が直接操作する「手動操縦」。
もうひとつは、あらかじめプログラムを組み込んで動作させる「自律飛行」です。
手動操縦は直感的で分かりやすい一方、人間の集中力や技量に依存します。
長距離や複雑なルートを飛ばす場合は、誤操作や疲労のリスクが高くなります。
自律飛行は、プログラムで「離陸→指定ルート巡回→着陸」といった行動を設定できるため、人間がすべての操作をしなくてもよいのが特徴です。
災害調査や農業散布など、正確性や効率が求められる場面で特に有効です。
ソフトウェアが担う役割
では、ソフトウェアは具体的にどんな役割を担っているのでしょうか。
姿勢制御:機体を水平に保つための自動補正。
航行制御:GPSデータを使って指定ルートを飛ぶ。
ミッション制御:撮影や計測などの指示を実行。
安全管理:障害物検知や緊急時の自動帰還。
これらを可能にするのが「フライトコントローラに組み込まれたソフトウェア」です。
オープンソースのフライトコントローラ
ドローン開発で広く使われているのが ArduPilot と PX4 という2大オープンソースプロジェクトです。
ArduPilot
歴史の長いフライトコントローラで、多機能かつ幅広いプラットフォームをサポートしています。飛行機、ヘリコプター、車両やボートまで制御できる汎用性があります。
PX4
研究機関やスタートアップに人気で、最新機能を積極的に取り入れているのが特徴です。モジュール構造が洗練されており、自律飛行や高度な制御が得意です。
どちらも世界中の開発者が改良を続けており、無償で利用できるため、研究用途から商用開発まで幅広く使われています。
他にも
クローズドソースシステムとしては
DJI
世界最大のドローンメーカーであるDJIは有名ですね。彼等は独自のフライトコントローラーとソフトウェアを開発しています。これらは一般的にクローズドソースであり、DJIのドローンにのみ搭載されています。
他にもレーシングドローンやフリースタイルドローンに使われる軽量なファームウェアとして、Betaflight & iNavも有名ですね。高性能なフライトコントローラーを必要とし、アクロバティックな飛行を可能にするよう最適化されています。
ドローン制御に使われるプログラミング言語
ドローン開発で使われる代表的なプログラミング言語を見てみましょう。僕の所感ですが。
C++:フライトコントローラや制御系の開発で使われる。高速処理が可能。
Python:ミッション制御やAI連携、データ解析で活躍。簡潔にコードを書ける。
JavaScript/Node.js:Webやクラウドと連携する場合に利用される。
ROS(Robot Operating System):ロボット全般の制御基盤で、ドローン研究にも広く使われている。
プログラミングと聞くと難しく感じるかもしれませんが、最初は「指定した座標へ移動」「カメラで撮影」といったシンプルな指示から始められます。ご安心ください。
自律飛行の具体例
ここで自律飛行の例を紹介しましょう。
離陸地点を指定する
GPS座標でルートを設定する
各地点で撮影や散布などのタスクを追加する
プログラムを実行すると、自動でルートを巡回して動作する
例えば農業分野では「畑の上を一定間隔で往復しながら農薬を散布する」というプログラムが使われます。災害現場では「被災地全体をグリッド状に飛行し、映像を収集する」といった応用がされています。
シミュレーションとテスト
ドローンをプログラムで動かすとき、いきなり実機で試すのは危険です。
そこで活用されるのがシミュレーション環境です。ArduPilotやPX4にはシミュレータが用意されており、PC上でプログラムをテストできます。
シミュレーションで「思った通りに動くか」を確認したうえで、実機に適用することで、失敗や事故のリスクを大幅に減らせます。
落ちたら大変ですからね!
ソフトウェア開発と安全性
ドローンのソフトウェアは、ただ機能を追加すればよいわけではありません。安全性が最優先です。
たとえば「通信が途絶えたときに自動で帰還する」「バッテリー残量が少なくなったら着陸する」といった制御は必須です。
プログラムを組む際には常に「最悪の事態に備える」ことが求められます。
まとめ:プログラミングで広がる可能性
本日の講座では、手動操縦と自律飛行の違い、フライトコントローラの役割、代表的なオープンソース(ArduPilot、PX4)、プログラミング言語の活用例、シミュレーションの重要性などを学びました。
まとめると?
ソフトウェアはドローンの頭脳であり、安全と効率を左右する
自律飛行は複雑な作業や長距離飛行を可能にする
オープンソースの活用で誰でも高度な機能を利用できる
次回は「安全とルールを学ぶ」に進みます。技術だけでなく、法規制や運用ルールを理解することで、初めて“社会で使えるドローン”になるのです。
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